今回ご紹介するのは、腹筋の中でも一番深層にある「腹横筋」というインナーマッスル(深層筋)を強化するピラティスのエクササイズです!
腹横筋を強化することによって、体幹が鍛えられ、お腹のたるみを引き締める効果が期待できます✨
お腹痩せのために腹筋運動を頑張った結果、腰を痛めてしまったなどのお声を聞くことがありますが、ピラティスはインナーマッスル(深層筋)を意識しながら正しい体の使い方を学べるので、怪我の防止、姿勢の改善、ダイエットの促進、パフォーマンスの向上などの効果を実感することができます。
ピラティスのエクササイズで、安全かつ効果的にしなやかで引き締まったボディラインを目指しましょう✨
目次
安全かつ効率的にお腹周りを引き締めるためには
正しいアライメントが作れて初めてエクササイズの効果を得ることができるので、アライメント作りはとても大切です。
今回ご紹介する「Chest Lift」というエクササイズは背骨周りのことを理解しておくことが、正しいアライメント作り•正しい動作の近道になります。
その背骨の中でも今回は「胸椎」がポイントになってきます!なんとなくでいいので下の図などに目を通し「背骨ってこうなっているんだな、胸椎の場所はこの辺かな」と自分の体を触りながらイメージしてみて下さい。
胸椎(きょうつい)とは?:脊柱(せきちゅう)のうち、頸椎(けいつい)と腰椎(ようつい)との間の椎骨を指します。椎骨一つ一つが連なって柱のようになったものを脊柱=背骨と言います。
頸椎:首部分の7個の椎骨。形状として前弯して(反って)いるため反りやすい。
胸椎:胸部分の12個の椎骨。胸骨と胸椎が肋骨にくっついている。形状として後弯して(丸まって)いるため丸まりやすい。
腰椎:腰部分の5個の椎骨。形状として前弯しているため反りやすい。
なぜこのようなイメージが必要かというと、今回鍛えたい「腹横筋」は触ることのできない深層の筋肉で、胸椎を屈曲する(曲げる)動作で強化できるからです。
腹筋の中で触れるのはシックスパックと言われる「腹直筋」だけなので、触れない分意識して腹横筋を動かすことが重要になってきます。
腹筋運動で体を起こす時、腹筋部分がぽこっと出ていたら、腹直筋(表層の腹筋)のみを使っていることになり、腹筋運動をした時でも、息を吐いてお腹がへこんだままをキープできていたら、腹横筋(深層の腹筋)が使えていることになります。
腹横筋を働かせるのはなかなか難しいのですが、呼吸(吐く息)を利用してみぞおちを沈ませることがポイントになります!下腹部もみぞおちも沈めたまま、肩甲骨が浮くところまで上体を起こすことが腹横筋を働かせることに繋がります。
初めの内は少ししか上体を起こせないと思いますが、それで大丈夫です👍正しくエクササイズを続けていくことで、徐々に可動範囲が広がり、筋力もついてきます。
この時注意していただきたいのが、胸ではなく腰を丸めることや、首をたくさん曲げることで、胸を丸めた気になってしまうことです。このような体の動かし方は首や腰の怪我に繋がるので気をつけましょう!腰の形状は変えることなく(腰が丸まったり、反ったりしないニュートラルな状態)、首は軽くあごを引く程度にとどめ、胸を丸めることを目指していただきたいです!
お腹がぽこっと出てしまうような勢い任せのやり方にならないように気をつけ、「Chest Lift」に挑戦してましょう!
Chest Lift(チェストリフト)
⚫︎仰向けの姿勢から肩甲骨まで上体を起こし、腹筋群を鍛えるエクササイズ
⚫︎胸椎の屈曲を体に覚え込ませるエクササイズ
★肥満、メタボリックシンドロームに効く
【セットアップ】Chest Lift
⒈仰向けに寝て、足を三角に立てます(立膝)
⒉足はパラレル(気をつけ!の足)の状態から、足先の向きを変えずに坐骨幅(こぶし一個分)に開きます。
⒊手の指10本をしっかり組み、頭の後ろにセットします。
※5㎏ある頭を持ち上げるために、わきを締め腕の力を働かせましょう!目安は両肘が少し視界に入るくらいです。
この時、頭頂と坐骨を引っ張り合い、長い背骨を意識しましょう!!!
【動作】Chest Lift
⒈息を吸い、長い背骨をキープする意識を持ちながら、吐いてみぞおちを沈めます。肩甲骨がマットから離れるところまで上体をゆっくり起こしましょう。
※この時の目線は膝くらいで、あごの引き過ぎに注意します。
⒉上体起こしたところで、吸ってキープ
⒊吐きながら、ゆっくり上体を下ろします。
⒈〜⒊を、5〜8回目安にチャレンジしてみましょう!
【注意点】Chest Lift
・胸椎の屈曲を体に覚え込ませましょう!
肋骨下部=みぞおちの後ろ(胸椎7.8.9番)をマットに沈めるイメージで曲げ、上体をあげます➡️結果、胸椎の屈曲がおきます。
・呼吸を止めないように意識しましょう!
頑張り過ぎて息が止まると、首の痛みに繋がります。息を吸うのか吐くのか分からなくなったら、どちらでもいいので呼吸を続けましょう✨
・骨盤のニュートラルポジションをキープしましょう!
骨盤は出来るだけニュートラルを保ち、後傾しないように気をつけます。初めは少し骨盤が後傾するくらいなら大丈夫ですが、最終的には骨盤ニュートラルを目指しましょう👍
腹筋群が強化されてくると骨盤が安定してきます✨
骨盤のポジションについてはこちら
・肘の幅をキープしましょう!
視界に肘が入るところまで脇を締め、腕の力を使って頭の重みを支えます。
※肘が開いてしまうと胸を丸めたいのに(胸椎の屈曲)かえって胸が反ってしまいます(胸椎の伸展)
【アシスト】Chest Lift
①肩甲帯の間にボールをセットする
胸椎の屈曲を体に覚え込ませるのに適しています。最初自力で起き上がれない方もボールのサポートがあると、正しいアライメントで胸椎の屈曲を行うことができます♪
②太腿の間(膝より)にボールを挟む
上体を起こす時、骨盤が後傾し膝が開きやすいです。ボールを挟むことで内転筋が働き、膝が外に開くのを防ぎます♪
最後に
Chest Liftは見た感じ簡単そうに見えるのですが、正しく行うには大変難しいエクササイズとも言えます。
ですが!Chest Liftを正しく体得することができれば、様々なエクササイズを安全に行うことができ、多くの効果を得ることができるのです✨
Chest Liftを体得し、引き締まったお腹周りを手に入れましょう✨
次回はChest Liftの応用編エクササイズをご紹介します☺️